9月17日から始まったポルトガル映画祭、18日から始まったドキュメンタリー・ドリーム・ショー、
いずれも今週末がラストで観る方も忙しい。
今日はマノエル・ド・オリヴェイラの「階段通りの人々」。
タイトルそのまま、ある階段通りの両サイドに住む人々、およびその生活空間に外から紛れ込んでくる
人々の生態を活写した作品。原題は「箱」で、これはストーリーに重要な意味を与える小道具。
舞台装置との親和性を考えたのか、演劇的要素をそのままスクリーンに投影したような
平面的な画面作りが特徴だ。
題材は面白く期待させるのだが、プロットに寄りかかりすぎた演出によって予定調和的な展開が多く、登場人物の内面の機微が伝わってこないのも残念。
それとこの人は音楽の使い方がナイーヴ過ぎる印象だ。
狙いかもしれないが、クラシックのいわゆる「名曲」をこれでもかとふんだんに繋いでくるため、陳腐なイメージが助長されてしまっている。
今回4本目の鑑賞となるが、伝説的な監督ということで、少し買いかぶり過ぎていたかもしれない。
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